基礎補強 千葉県千葉市中央区 築27年木造住宅
この度の施工記事は、千葉県産のヒノキや杉を使用し建てられたこだわりの詰まった木造住宅の基礎補ついてです。
以前からメンテナンスでお世話になっているお客様のご実家の点検依頼を受け、基礎に多数ひび割れを発見したことから基礎補強工事の依頼をいただきました。
冒頭でもお伝えした通り、千葉県内にある本家所有の山から切り出されたヒノキや杉を使用し建てられた木造住宅で今後も長く居住していくためにしっかりメンテナンスをしたいとの事でした。実際建物のつくりはこだわりもありかなり凝ったもので従来の木造住宅に現代の生活にマッチしたつくりになっていて、縁側など日本の特徴的な木造建でありながら畳と床板をうまく組み合わされ個人的にはこんな家に住みたいなと素直に思いました。
ですが、支える土台である基礎が劣化してしまえば、どんなにこだわりが詰まり優れた技術で建てられた建物であっても長持ちさせることは困難です。
基礎にひび割れがあることで、地震に弱くなることはもちろん、基礎がひび割れてずれてしまうことで起こす不具合はいくつかあります。
外壁にひび割れを引き起こし雨漏れなどの原因になったり、窓枠がゆがみができ窓がスムスに動かなくなったり隙間ができたり、室内だと壁紙がきれたり、床に隙間ができるなど様々な問題が生じます。
施工の様子
基礎がある床下は、人間であればひざ下や足首の部位にあたります、その部位の骨がひび割れたり折れていたらと想像してみてください。まともに立っていることなんかできませんよね?ましてやその状態で重たいものを支えることはできませんよね?片足が骨折しているとそこをかばうために反対の足に負担がかかり怪我をしてしまうことがあるように、一つのひび割れがより多くにひび割れを生む原因となってしまいます。一般的に多い15坪から20坪くらいの木造住宅の場合基礎全体を補強するとなると100万円以上の費用が掛かります。そうなる前にひび割れ箇所を補強することで将来的にかかる補修費用を抑えることができます。
①施工前
この写真のように風窓部分は非常にひび割れが生じやすい部分です。
②施工前処理 施工面の清掃とケレン
③下塗り
下塗りは本剤の密着をよくするために塗る材料です。基礎補強の強度はアラミド繊維の強度と言っても過言ではないくらいです、ただどんなに強度のあるものでもしっかり密着していなければ意味がありません。
④本剤1回目塗り
本剤は施工面の状態に合わせエポキシ樹脂とウレタン樹脂を使い分け使用します。また、この後本剤が乾いてしまう前にアラミドを張り付ける必要があるため手早く作業します。
⑤アラミド繊維シート貼り付け
本剤をアラミド繊維シートに染みこませるため乾く前に裁断し手早く貼り付け脱泡ローラーでしっかり密着させます。
⑥本剤塗り2回目
アラミド繊維シートをより密着させ、長期間保護するため上からしっかり押さえつけていきます。
⑦施工完了
終わりに
アラミド繊維シートを使用した補強工事の利点としてその強度だけでなく高い耐久性があります。
試験データを提供してもらったわけではないので企業名を出すことはできませんが、M系企業建築の研究ではアラミド繊維シートの劣化率を出すために30年前に施工した箇所の強度を計測したところ強度劣化がほぼ見られなかったため、劣化率を出すことができなかったとの研究結果が出たようです。
ただし、樹脂は確実に劣化するため20年から30年後に塗装と同じように樹脂を塗り重ねるメンテナンスは必要です。
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