本日は、数年前からシロアリ対策をはじめとした床下のメンテナンスをさせていただいているお客様で、半年前に基礎コンクリートにアラミド繊維シート連続繊維補修・補強工事を実施し、その際、ホールダウン金物の取り付け工事も実施する予定だったのですが諸事情あり今日まで延期になっていました。
代々、この土地に住まわれているお客様は、代替わりする息子さんが出来るだけ長くこの家に住めるよう考えられています。
建物についても軽量の屋根へのリフォームなど家の耐震化にとても気を使われていて、一番初めにシロアリ対策工事でお世話になった際も地震への備えを非常にしっかり考えていらっしゃる方だなと記憶していました。
今回は、昨年9月にアラミド繊維シート連続繊維補修・補強工事で補強された基礎コンクリートと建物をホールダウン金物で固定する作業になります。
耐震補強金物、ホールダウン金物の取り付け作業の様子
取り付け準備
しっかり取り付ける為に基礎コンクリートの厚みや取り付け箇所の位置決めをします
取り付け箇所に雨どいがある場合はカットして取り付けスペースを確保します
後工程で差し込むボルトがしかっり固定されるよう穴あけを行った跡をブラシを使い綺麗に削り粉をかき出し綺麗にします
これはケミカルアンカーと言って、あらかじめこのアンカーを穴に差し込みボルトを締めます
その際、外のガラス容器が割れ、中の小石がボルトとコンクリートの隙間に挟まり、更に液体ボンドが広まることで確実にボルトを固定します
フレーム上部本体と下部本体を連結部材で連結し緩衝ゴムを間にはさんで上部本体の最下部と、下部本体の最上部のバネとの間にそれぞれ角座を挟み、ボルトを下から上に通しWナットで固定します
穴の先は建物の通し柱です
あらかじめボンドを塗ったボルトを差し込み上部プレートをしっかり固定していきます
終わりに
なぜ、地震対策として基礎コンクリートと建物を固定するのかというと、基礎コンクリートの上に乗っている木造家屋が地震によって、柱が土台から抜けてしまうホゾ抜けと呼ばれる現象を起こし、ずれてしまったりすることで、木造家屋の1階部分がつぶれてしまうことを防止することが目的です。
2000年の耐震基準の見直しでそれ以降の木造家屋にはホールダウン金物を取り付けるよう義務付けられましたが、2000年以前に建てられた木造家屋にはホールダウン金物が基本的にはついていません。
しかし、2016年に発生した熊本地震では新耐震基準で建てられホールダウン金物がついた木造家屋も1階部分がつぶれる被害がありました。新耐震基準では柱が土台から抜けてしまうホゾ抜けの引力が2.5トンまで耐えられるよう計算され取り付けられていますが、阪神淡路大震災では最大4トンの引力がかかったのではないとの検証結果も出ています。
大きな地震があるたびに耐震基準が見直されることが多いので、東日本大震災や熊本地震や北海道での地震の被害状況からして数年後には耐震基準の見直しがあるかもしれませんね。
弊社で採用しているホールダウン金物は最大12トンの引力に耐えられるように作られているので、大きな地震でのホゾ抜けによる家屋の倒壊から家を守ります。
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